こんにちは。京都市のいなば動物病院です。
今回は後肢の先端に出来た扁平上皮癌・それに伴う断脚手術を行ったハリネズミさんについてです。
ハリネズミ ２歳
１歳前後より後肢先にかさぶたが出来ては取れることが続いていて、時折の出血を繰り返していました。当初は感染症や何らかの慢性炎症などを疑い、抗生剤・抗真菌剤・消炎剤・ステロイド・駆虫薬など様々な内服薬を試してみても大きな改善はありませんでした。
続いて、鎮静化でのレントゲン撮影・組織生検を実施し、内服薬の変更や継続を行いましたが、一向に改善は見られず、再度検査をさせて貰うと結果はやはり悪性腫瘍である「扁平上皮癌」と診断が出ました。
診断の結果・治療への反応性の悪さを基に、この子の生活の質（QOL）向上、手術後のケアの方法・不安な点など飼い主さんとの繰り返しの話し合いの末、「断脚手術」を行うことを決断されました。
心配だった手術後の痛みや歩き方など断脚の影響もなく、食欲や活動性はむしろ上昇したとのことで嬉しく思います。手術から数か月が経過しましたが、術後の経過は良好そうです。
扁平上皮癌は悪性腫瘍の分類で、一般的には局所浸潤が問題となる腫瘍です。末期には領域リンパ節などにも転移することもあり、今後も局所再発や遠隔転移などには注意して経過観察が必要となります。
いなば動物病院
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